構造があからさまになった今、旧来からの概念としての都市は、啓示を与えたり、その多様さを駆使してひとを惑わせたりする機能を失ったに等しいでしょう。
コンピューターライズされた情報化社会は、都市の暗部までを徹底的に断片化した情報に変換しようとします。
その波の前で、失楽園回復の試みが1980年代に破綻した後遺症をひきずっている現状は、あまりに無力にすぎます。
断言を恐れないのなら、ベル・エポックのときに眺めていた都市は、最早、存在しません。
匿名性を楽しみ、人波のるつぼに身を委ねる快感は、ぜいぜいテーマパークのお仕着せの「都市らしさ」のなかでしか味わいえません。
そこを認識したうえで、わたしたちは左せんか、右せんかを選ぼうとしているのです。
「千年王国」としての都市を、もう一度、「物語性」に戻って、なんとしても再構築していくのでしょうか。